アマゾンは何をしようとしているのか
2013年04月13日
『「モノ」を売るな、「体験」を売れ』で有名な藤村正宏さんのメルマガに書かれていた事が「なるほどなぁ~」と感じましたので、下記に紹介致します。
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■アマゾンは何をしようとしているのか
「我々は辛抱強い。待つのは平気です。2~3年で上手くいく必要はありません。状況によっても変わりますが、一般的に私たちのタイムラインは、5年から7年です。」
こういう言葉を言ったのは、アメリカ大手通販「アマゾン」のCEO、ジェフ・ベソスです。
最近、ジェフ・ベソスの生い立ちが出版されたり、経済雑誌でアマゾンの特集があったり、何かと注目されている企業です。
アマゾンは、1994年に設立されてから、8期連続赤字でした。
1995年7月からオンライン書店、書籍の通販サービスを提供しはじめました。
これが大当たりします。
1997年5月には株式公開。
アマゾンにはたくさんの投資家が投資しました。
でも、普通とちがったのは、投資した株主には、株主総会での投票権がありませんでした。
つまり「金だけ出して、口を出すな」というところでしょうか。
当時アマゾンは、オンライン書店で莫大な利益が出ていました。
それでも2002年くらいまで赤字だった。
(9期目で利益が出ます)
あんなに売れているのに、なぜ赤字なんだろう。
アマゾンのビジネスモデルが将来的に成り立つのか?
そんな噂も飛び交っていました。
実はアマゾンは、その8年間虎視眈々と、あることをやっていたのです。
オンライン書店の売上を上回る金額を技術開発に投資していたということ。
カンタンに言うと、ものすごい数のサーバーを増やしていたのです。
どうしてか?
世界一のECサイト(インターネット通販サイト)になり、そのサイトを軸に「ゆるやかなコミュニティ」を作りだすことだった。
よく言われる「プラットフォーム」を作り上げようとしていたわけです。
昨年末アマゾンのタブレット、「キンドルファイアー」を手に入れました。
パッケージを空けて、電源を入れ、日本語に設定、そうするとすでにボクのIDとPASSワードが設定してあり、2~3クリックですぐに使える。
ものすごくカンタン。
すぐにアマゾンで本も電子書籍も買える。
フェイスブックやツイッターもすぐできるし、ネットもみれます。
サクサク動くし、液晶もきれいです。
最近は寝る前に、布団の中で小説を読んでいます。
もう習慣になっている。
電子書籍を読むのも、すごく使い勝手がいいです。
さすが、アマゾン。
ハードルを極限まで下げることに、徹底しています。
UIが優れている。
ものすごくお客さまのことを考えているということ。
『UI』というのは『ユーザーインターフェース』の略です。
直訳すると『利用者との接触点』みたない感じ。
「UIが優れている」などと使います。
それはどういう意味かというと、カンタンに言えば「使いやすい」ってこと。
日本のメーカーのHDDレコーダのリモコンの数の話を昔書きました。
1個のリモコンに68個もボタンがついている。
誰も使わない機能を増やし続け、ガラパゴスになっていった。
日本のメーカーが世界で苦戦している、大きな理由になっています。
それに比べると、本当に直観的に使える。
取扱い説明書も、ほとんどない。
これで19800円っていうのは、かなりお安いです。
(キンドルファイアー上位機種の価格)
もともと、アマゾンはキンドルファイアーを売ってもうけようとしていない。
コンテンツの入り口に過ぎないわけです。
だから安いんですよね。
ボクたちもアマゾンで買ったり、商品を見たりすると、その使いやすさに驚くことがありますよね。
ワンクリック購入が使いやすい。
レコメンデーション機能(推薦する機能)にびっくり。
本当にすごいですよね。
2年くらい前にチェックしたアーテイストの新作が出たらお知らせが来たり、この本を買った人はこんな本も買っていますって、自分が買った本の関連図書が表示されたり。
たとえば、ボクがA.B.C.D.という本を買ったとします。
そして、北海道に住んでいるボクがまったく知り合いでもない原田さんが、A.B.C.E.という本を買ったら、A.B.C.が共通なので、きっと近い趣味趣向をもっているんじゃないかと判断して、ボクには原田さんが買ったEを勧め、原田さんには、ボクの買ったDを勧める。
そういうレコメンドをするわけです。
これは「協調フィルタリング」というプログラムです。
それそのものはそんなに難しいプログラムではないのですが、何万人、何十万人の協調フィルタリングをリアルタイムで実施するのは、ものすごい計算力が必要らしいです。
アルゴリズムが難しいのではなくCPUパワーが足りないってこと。
だから、半端じゃない数のサーバーを増やしていった。
8期連続赤字なのは、これが理由なんです。
現在アマゾンでは、100万台以上のサーバーがクラウド化しているそうです。
世界で一番大きなサーバーを持っているのは『Google』です。
130万台近く。
それに次いでアマゾンが世界2番目のサーバーを稼働させているんです。
通常の通販の業務では、そんなに多くのサーバーを必要としないそうです。
クラウドコンピューティング力をもち過ぎている状態。
アマゾンはそのクラウドサービスを外部に売っているわけです。
例えば、小さな店がワールドビジネスサテライトとかクローズアップ現代に取り上げられ、夜に何万人もアクセスすると、サーバーがダウンしてしまうということが起きたりする。
そうすると、結局「なんだ使い物にならないじゃん」と、一瞬にして忘れ去られる。
という悲しいことになる。
でも、アマゾンのクラウドだと、自動的にサーバーの領域が広がってくれる。
それに応じて課金されるという契約なので、サーバーがダウンして、チャンスを逃すことはないわけですよね。
アマゾンは世界一のEC(インターネット通販)会社になりました。
さらにその地位を盤石にしようとしています。
その一環としてキンドルファイアーを投入したわけです。
アマゾンの中では、キンドルファイアーは単なる製品ではなく、メディアサービスという位置づけです。
メディアを使うためのサービスということ。
まさに「モノ」を売っているわけではないってことですね。
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というお話でしたが、これは我が社にも当てはまる事があるのではないかと思いました。
工事なり加工製品なり、お客様にお届けするのは自社ではなくてもよいはず。
それを我が社に頼むという事は、何かしらの「付加価値」があるから、お客様は我が社に頼んでいるって事ですよね。
アマゾンは、サーバーを増やして、能力を高めていった。では、我が社は何を高めていけば、お客様に「価値」を提供できるのでしょうか?
こういう事を日々、皆で考えて行動していくことが、大切なのではないかと思いました。
答は一つではないかもしれませんね。色々な可能性があるから面白い!!ですよね。
築炉工事の設計・施工、セラミックスの超精密加工に技術・技能を活かす板井築炉株式会社
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